2018年03月18日

(ネタバレ注意)ランス10がとても楽しかった

18禁エロゲーの最古参シリーズとも言えるアリスソフトの「ランス」、その最新作「ランス10 -決戦-」が2月23日に発売された。

僕はこのランスシリーズを過去に少しだけプレイしたことがある。1991年に発売された「ランス3 リーザス陥落」と1996年に発売された「鬼畜王ランス」の2作。

よく考えてみたら、僕が3と鬼畜王に触れていたのは奇跡とも思えるタイミングだった。3は魔王や魔人の設定が確立した作品で、鬼畜王は膨れ上がった世界設定を一旦まとめ上げた作品(ただし、if物語という扱い)である。そして、ランス10は鬼畜王でブチ上げたランス世界のルールをもとに、以後の正史ストーリーを織り交ぜながら、完結作品として昇華させた。

その2作でしかランス世界に触れていなかった僕だけど、ランス10の深みにハマってしまい、50時間以上も楽しむことができた。あまりにも楽しんでしまったので、記念としてその感想を残しておきたい。この記事にはランス10の重大なネタバレが含まれているので、もしまだ興味があるけどプレイをしていない人がいたら、ブラウザを閉じるかバックしてほしい。

ランス10 第1部について


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いきなりネタバレになってしまうけど、ランス10は2部構成の作品である。魔人界でのケイブリス派の勝利により、全軍をもって人類圏に攻めてくる第1部と、その後の物語を体験する第2部。ランス10はそのどちらが欠けてもランスとしての物語は完結しない。

第2部については後半で語るとして、まずは第1部から。

第1部は人類は滅亡へのルートしか見えない、確実なバッドエンド状態から始まる。ランスは持ち前の運の良さと戦闘能力をもって立ち向かっていくが、それでも4つの国家に対して2〜3人の魔人とともに攻めてきているという状況は困難を極めている。そもそも魔人は1人だけでも一般兵ではキズ1つつけられない存在で、時間稼ぎにしかならない。

プレイヤーはそんな状況から、いくつものバッドエンドを経て周回ボーナスを入手し、やがて第1部のエンディングへとたどり着いていく。ゲーム的に考えればこの周回というのは、クリアのための措置なんだけど、僕としてはランスが体験するあらゆる結末を自分も体験することで、その記憶を持ってベストエンドに向かっていくようにも感じられた。言ってしまえばタイムリープを繰り返しているようなものだ。

もちろんこれはゲーム内にそういう説明があったわけではなくて、あくまで自分がそう感じただけなんだけど。

各国家が滅亡することで陵辱されるシーラ、リア、マジック、マリア&多数、メディウサに惨殺されるガンジー、神楽、ウィチタ……その場面に出くわす度に心が痛くなり、感情が揺さぶられる。しかし、だからこそ次回は死なせるわけにはいかないと思って行動できる。でもとりあえずメディウサは許せん。

本作は鬼畜王ランスなどと同様にマルチエンディングを採用している。それぞれの結末によってAエンド、Bエンド、Cエンドの3種類にカテゴリー分けがされ、Aエンド以外は基本的にバッドエンドである。Bエンドはバッドエンドながら、このランス世界の様々な姿を見ることができる、ある意味一番変化が見られるエンドである。Cエンドは人類滅亡や魔王ケイブリス誕生など、基本的に失敗エンドである(ゲームオーバーではなく、結末の1つ)。

Bエンドでは、人類文明が滅んだ後にイカマンが繁栄している未来や、異世界に戻った美樹ちゃんが魔王に覚醒して現代文明を操ってランス世界を蹂躙しにくるエンドなど、ちょっと変わったエンディングが用意されている。

その中でランス世界をより深く理解できるようになるエンドが「神の真実」である。これは周回ボーナスを増やすためだけでなくても見ておいたほうがいいエンディングだ。

人類滅亡率によって魔王をも殺せる力を備えるエスクードソードを振るう勇者の真の存在意義、このランス世界を真に支配しているものの存在。そんな存在に立ち向かったランスたちの末路……すでに鬼畜王ランスで神の存在と世界の仕組みは提示されていたが、ランス10でこの仕組みに触れる人にはきっと衝撃的な内容になるに違いない。

膨大なキャラクターイベントに衝撃


本作では冒険の道中で入手する食券を使用することで、各キャラクター固有のイベントを2〜3個見ることができる。「ランス城女兵士」みたいな汎用キャラクターのイベントはないが、名前があるキャラクターは男女ともほぼすべて用意されている。本作に何人の名前ありキャラクターがいるのかは公表されていないが、それはもうものすごいテキスト量である。

加えて、女キャラの大半には全裸バージョンのカードも用意されていて、ランク40に達したキャラのを道中で入手できることがある。入手できるかできないかは運次第ではあるが、入手した時にそのキャラにまつわる全裸イベントを見ることができる。上記の食券イベントも含めて途方もないボリュームである。

その中でもあおいの食券イベントはオススメだ。あおいはリーザスを解放する際のストーリーで登場する女キャラで、職業は性奴隷である。鬼畜王ランスにも登場した。真面目に性奴隷としての職務を全うするあおいに対して優しく接してしまうランス。基本的には聡明で、ランスの本質を見抜く一面も垣間見える。

また、同様に性奴隷としてコパンドンの元にやってきたものの、秘書としてこきつかわれているユーティンとのやり取りも必見。ユーティンも普通にプレイしていたら食券を使うことなく終わるキャラだろう。

メインキャラクターだけでなく、後方勤務や補佐的なキャラクターにもきっちりとイベントが用意されているのがランス10のすごいところ。彼ら彼女らもランス世界で懸命に生きていることを感じ取ることができる。

??解放条件実績を取得することの意味


第2部に突入するには、「??解放条件」と書かれた5つの実績をこなす必要がある。これらはすべて条件を満たした後にAエンドで終わらせる必要がある。例えばホーネットを奪回して仲間にするというのがあるが、Bエンドで終わってしまったら実績としては解除されない。

これらはすべて第2部の舞台を整えるのに必要な設定である。地底を掘り進んでランスが神の世界にたどり着いていなければ第2部での大怪獣は登場しないし、クルックーが法王特典を使っていたら、創造神ルドラサウムに謁見することもない。

でも普通に考えると、これら5つの実績は同時の攻略でこなさないといけないと思うはずだ。しかし、実際はどこかのAエンドでそれぞれを見ていれば第2部に行くことができる。そこに物語の整合性は必要なく、必要なのはプレイヤーがそのイベントを経て、Aエンドでの結末を見ることなのである。


人類が軽々しく死ぬ無情な第1部から第2部への変化


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第1部での惨劇を経て、ランスが魔王として君臨する世界で繰り広げられる第2部。開始直後、RA元年から15年までに起こる様々な設定が津波のように押し寄せてきて、プレイヤーの思考が少々混乱したところでスタートとなる。

スタートした直後に、これまでのランスシリーズではなかった、自キャラのクリエイトが始まる。といっても名前と姿くらいではあるけど。このクリエイトは何を表しているのか、それは物語が終わった後に明かされる。僕はデフォルトで用意されているエールでプレイ。むしろエール以外でプレイは心情的にできない。

第2部では、第1部と比べると頻繁に地の文が挿入される。セリフではなく情景描写である。その描写も『あなた』とどこか儀式的で、まるでTRPGのGMが読んでいるかごとくである。この意味も第2部の物語を一度終わらせることである程度判明する。

第2部の主人公は、クルックーやリア、マジックなど色んな女性たちにランスが産ませた、ランスの子供たち。彼らは人類圏の各地を周り、旅の最中に起こる事件などを解決しながら、魔王ランス打倒への道を歩んでいく。人類の存亡がかかる殺伐とした世界の第1部とは変わり、青春もののロードムービーを見ているかのような、どこか平和でゆったりとした時間が流れる。

プレイヤーが操作するエールは旅立ちから間もなく、やがて友情を育むハニー・長田君と出会う。ランスの子供というサラブレッドたちとはまったく生まれが異なる長田君。ランスチルドレンが魔人をも越えるレベルまで伸びても、1人レべル30に満たない長田君(とはいえ、レベル30もあれば1万人に1人のレベルのエリートなはずだけど)。
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突拍子もない行動に及ぶエールに対して、冷静なツッコミを入れる長田君。怖い時はエールと二人で手を繋いでがんばる長田君。事あるごとにパリンと割れてはその直後に修復されている長田君。長田君は第2部のヒロイン(男だけど)と言っても過言ではない。

そしてランスチルドレンに混ざってメンバーに加わる志津香とナギ。志津香は、ランス9でナギを助けるために半身を与えたことでナギとともに子供の姿になり、そして第2部では成人女性へと成長した。また、第2部ではランスの子供ではないのに、この二人も才能限界レベルを突破する。その理由はこの第2部で描かれているので、気になる人は志津香とベストフレンドになってクリアしてみてほしい。

魔王ランスに付き従う魔人たちには、サテラを筆頭にホーネット、シルキィ、ハウゼル、サイゼル、リズナ、ワーグ、レイがいる。彼らは、魔王の血の制御に苦しむランスを助けたいと思っていることが、ランスチルドレンに対する好意的な様子から見てとれる。第2部は敵・味方ともにランスが好きなキャラクターたちが登場し、やはりランスを軸とした物語なのである。シルキィを倒した後、シルキィはエールたちが見えなくなるまでずっと手を振っていたという描写がとてもほっこりする。

そして迎える第2部の終焉。ランスの物語は本作で完全に終了するということがはっきりとわかるエンディングだった。第2部は殺戮や悲惨な出来事がなくても、この世界は十分に楽しいということを、エールを通じて創造神ルドラサウムにわかってもらうため、クルックーが提案したシステムであると、そう感じられた。『あなた』はルドラサウムであり、プレイヤーなのである。

でも、大怪獣クエルプランの登場や魔王の血の消滅は、果たしてクルックーの想定内だったのか想定外だったのか。僕は想定外だと思いましたが、なんにせよレベル神となってランスとともに歩んでいくクエルプランが幸せそうだったのでよしとしよう。

ランス世界とは何だったのか


ランス世界は、ルドラサウムが作った大地に、彼の化身である三超神の1つ・プランナーがさまざまなスパイス(魔王を頂点とする生態系や、勇者システムなど)をふりかけて、ルドラサウムを楽しませるために作ったものである。ルドラサウムがプレイヤーだとしたら、プランナーは文字通りゲームプランナーと言える。

魔王という絶えぬ存在がいるだけで、物語は破滅や混沌の未来をなぞるしかない。これらを楽しむプレイヤーに対して、クルックーはランスではなく、別の人格を通して他の楽しみ方を提案した。その結果、魔王や魔人の存在は必要なくなり、ランスは天寿を全うできた、そんな風に感じられた。

第2部は主人公がランスから子供世代に代替わりして、ランスが脇役になってしまったのを嘆く人もいるかもしれないが、ランス10は最初から最後まで、まさしくランスの物語だったと個人的には思っている。

僕はランスというシリーズをずっと追っていたわけではなく、20年前にプレイしたっきり、ランスのことについては頭から抜け落ちていた。このランス10でさえも情報は何もなく、発売直前になって「シリーズ完全終了」というフレーズを見て、急遽購入を思ったくらいである。

でもランス10は予想以上に楽しく、そしてランス世界の深みをまた知ることができた。50時間以上、ほぼ止まらずにプレイし続けたエロゲーなんてそんな記憶はない。個人的に2017年度の最高ランクに輝く作品を作り上げてくれたアリスソフトとTADAさんに感謝したい。

でも、欲を言えばもう少し、ランス世界という世界観を使用した様々なエピソードを見てみたいかなって思っている。

(C)2018 ALICESOFT
posted by メガトンメガネ at 11:00| Comment(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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